暇tarou の酒談義・地酒談義

 地酒の話題 

地酒って飲んでは旨いし話題もまた楽しい。
昨今は、地域の焼酎やワインにビールも多くなりました。
共に美味しく話題性も多分にあります。


私、暇tarouは、ドサ廻りと言われた地方(東京から言うと)担当の営業マンでした。
その昔(昭和40年代まで)は酒を飲めなければ商売にならなかった。

そのお陰でその地の地酒を飲んで商売が上手く行きました。
東京に戻れば、同僚と行った先々の地酒談義となり楽しいものでした。

現在は旅行で訪ねた地域の日本酒「地酒」を飲めば話題が増えますよね。
ここでは、日本酒の「酒造り」と「酒」についての談義をちょいと。


その①、地酒とは

地酒は、その地域を感じさせる酒です。
東京都にては蔵元は少ないので東京の地酒とは全く聞かない、
また兵庫県と京都府の蔵元の酒は地酒と言わないのです。

兵庫県や京都府の蔵元の酒に対して他の地域で造られる酒を
「地酒」と言うようです。
その昔のようですが、上方(京都)の酒に対する地方の酒のことを
言っていたようです、なにか「田舎の酒」という感じですかねー。

昨今は「地域振興」が盛んに言われるようになり、大手酒造メーカー
の酒よりも、個性があり飲んで見たくなるイメージを響かせます。

その昔は、その地域には数多くの酒蔵がありましたが廃業に追い込まれた
酒蔵も数多く有ります。

一時若者が日本酒を飲まなくなった時期がありました、
その時、ネームバリューが無い酒蔵は廃業した。
それと、酒蔵として酒造りはしているが、自分の蔵名では販売を少なくして、
俗に「樽売り」という大手酒造メーカーに販売する方向に進んだ蔵元は廃業した。

現在は、地方再生の政府方針に沿い「地場産業」として
「ふるさと納税」の返礼品にも寄与する地酒も多くなっています。


その②、酒の呼び名は

日本酒は以前 特級、一級、二級、
といったように級別で分類していましたが、
今は、精米歩合 、麹歩合、アルコール添加量などの
製法により、呼称が区分されています。






●純米酒(アルコール添加無し)
 精米歩合が60%以上のものを「純米酒」
1, 純米大吟醸酒
2, 純米吟醸酒
3, 特別純米酒
4, 純米酒

アルコールとは醸造アルコールの事(食用エタノール)
原料は主にサトウキビから造られて、
サトウキビの糖蜜に酵母を加えて発酵させてアルコールを発生させたものを
蒸溜させることによって出来あがります。
米から作られた米アルコールなどもあります。

醸造アルコールは大手の酒造メーカーが製造しており、
蔵元が大手メーカーから買っているのです。
蔵元独自で製造している蔵元もあります。

何故醸造アルコールを添加するのか?と思いますよね、
発酵すればアルコールが生まれるのに、ですよね。

醸造過程で「雑菌やカビなどに汚染されてしまうことがあるのです」
それを防止の為に醸造アルコールを加えることで防止します、
また酒の劣化しにくくなる効果があったのです。

この醸造アルコールは「香り成分」を水分よりも良く溶かす性質を持つ
ので純米酒よりもアルコール添加された日本酒の方が、
より香りを感じやすくなります。

また疑問があると思います。
醸造アルコールを添加されれば、酒のアルコール度が増えるのではと
思いますよね。

それは酒税法により、現在では醸造アルコールの使用量は
白米1トンあたり280リットル以下に制限されているので、
アルコール添加した清酒は「二倍増醸酒」までとなっています。

●吟醸酒、本醸造酒(アルコール添加有り)
 添加するアルコールが使用する白米の重量10%以下で、
 精米歩合が60%以下のものを「吟醸酒」50%以下は「大吟醸酒」と呼びます。
5, 大吟醸酒
6, 吟醸酒
 精米歩合が70%以下で、香味と色沢が良いものを「本醸造酒」と呼びます。
 添加するアルコールは白米重量の10%以下と吟醸酒、大吟醸酒と
 同じ分量の規定になります。
 精米歩合が60%以下のものや特別な製法で造られた本醸造酒のことを、
 特別本醸造酒と呼びます。
7, 特別本醸造酒
8, 本醸造酒

●普通酒(アルコール添加有り)
 吟醸酒、本醸造酒、純米酒などで、特定名称酒として区分されない
 日本酒を一般的に「普通酒」と呼んでいます。
9,   普通醸造酒(上撰、精撰、佳撰、特撰etc)
10, 増醸酒

●貯蔵期間で分ける(現在は管理が良いのでアルコール添加無しと思う)
11, 新酒
12, 古酒
13, 長期貯蔵酒
















その③、酒酵母とは


作成途中です。



その④、生酛仕込みと山廃仕込み

生酛仕込み
生酛造りは空気中に存在する乳酸菌が乳酸を造るのを待ち、
出来上がった自然な乳酸を利用することが特徴です。

歴史のある醸造蔵には蔵独特の乳酸菌が棲みついています。
空気中の乳酸菌を蒸し米と水、麹を混ぜた蒸し米に取り込むためには、
大樽に入れた蒸し米と麹を櫂を使って人手作業で掻き回しすり潰したりしながら
ドロドロの状態にする必要があります。

この作業を「山卸し」といいます、
作業中の雑菌の繁殖を避けるために厳寒期の深夜に行わなければならないので、
大変な重労働でした。

出来上がった生酛造りの日本酒は格別な味わいとコクと旨味がありながらも、
スッキリとした飲み口になります。

現在の山卸しの方法は環境も整備され厳冬期で無くても、また人手作業ではなく
動力によるプロペラなどで撹拌して近代化しています。

山廃仕込み

上記の生酛仕込みの項で紹介した山卸し作業は大変な苦労の作業です。
その大変な苦労をして行われる作業を廃止したものが山廃仕込みです。

山廃という言葉は「山卸し作業を廃止にした」ことから来ています。
山卸し作業の代わりに投入されるものは「水麹」です。

麹を水に浸しておくと酵素がにじみ出てきます。
この酵素入りの液体を蒸し米にかけまわし(汲み掛け)て造ります。
この酒造りは季節感や人手作業が動力化されたことで早く出来上がります。
山廃仕込みの日本酒は濃厚で旨味があり骨太な味わいになります。


3段仕込み
日本酒は通常は三段仕込みという方法で造られます。
酒米と麹を一度に仕込むのではなく、添・仲・留とを3回に分けて
段階的に発酵させます。

これは拡大培養で、安全かつ酵母のみを増殖させる場合は、
一度にではなく少しずつ大きな環境にならしてやると上手く行ったという
過去の経験からなのでしょう。

まず酒母を添専用のタンクに移動し、酒母で使った2~3倍量の
米と米麹と水を足します。

次は踊りという何もしない日を1日はさみ発酵を促進させます。
次の日に醪タンクに移動し米と麹と水を入れます。

これを仲仕込という、また次の日に最後の米と麹と水を足す留仕込を行い、
三段仕込みが完成します。





その⑤、ひやおろし

冬季に造られた酒は、火入れをした上で、春・夏を越して半年の間、
貯蔵・熟成れます。

そして秋風の吹く頃、外気温ほどに冷えた清酒は、
敏や樽などの容器に詰めて出荷されます。

このことから「冷やおろし」と呼ばれるに至ったようです。
 出荷時に火入れを行わず、そのまま樽などの容器に生詰めした酒を
「冷やおろし」とする例もあります。

しぼりたての時には荒々しかった味わいが秋口には丸みを帯びて調和し、
飲み頃となります。

秋までの間の熟成によって酒の味わいがよくなることを「秋上がり」と呼んでいます。若山牧水は「白珠の 歯にしみとほる 秋の夜の酒は静かに 飲むべかりけり」と、秋の夜に飲む酒にちなむ歌を詠んでいます。

年間を通じて酒が造られる現在でも秋口にしみじみ飲む冷やおろしの旨さには
格別のものがあります。 




その⑥、酒米「亀の尾」とは

「亀の尾」とは由利本荘市産の幻の酒米です
1893年(明治36年)に山形県の現在、
庄内町の阿部亀治が冷害に耐えて 立っている3本の穂を偶然発見し、
これを種子にし苦労の末育て上げたといわれています。

1925年(大正14年)には東北地方の代表的品種となり
一時代を築きますが、害虫、化学肥料に弱く多収性の米に座を奪われ消えていきました。

その後1983年(昭和58年)に新潟県の久須美酒造が復活させ、
TVドラマ「夏子の酒」のモデルとなりました。

秋田誉でも亀の尾の種子を手に入れ、
蔵人が作付けを行い醸造。
贈答品、また幻の酒米の酒を気軽に飲んでもらうために

カップ酒としても販売しております


その⑦、日本酒の搾り方法

日本酒の搾り方はいろいろと有りますが、その搾る過程にて
汲み取る酒にも種類があり、飲む人にその味わいを楽しませてくれます。















最初の酒を「あらしぼり」 次が「中取り」
その次が「責め」となります。

「あらしぼり」のお酒
「槽しぼり」で搾る場合は圧力をかける前の、
 酒袋を重ねただけの時に滲み出た日本酒。

「中だれ」槽しぼりの途中に中程に搾られた日本酒

「雫しぼり」で搾る場合は酒袋に入れて吊り下げた時、
 最初にしたたり落ちてきた日本酒。



槽搾り(ふねしぼり)
 日本古来より伝わる伝統的な搾り方で船に似た細長い箱を作り、
 醪を入れた酒袋を箱に入れて上から圧力をかけて搾る方法。
 自然な重みに近い搾りなので強くないので大吟醸などに向いている




雫(しずく)搾り、雫取り
 袋吊りとも呼ばれる搾り方法で酒袋に醪を入れて吊るし、
 重力だけでしたたり落ちてきた酒のしずくを集めた酒です。
 大吟醸でもさらに上質な日本酒を作る時に用いられるほうほうで
 雑味がほとんど無くスッキリした味わいになり取れる量が少ないので高価。















機械式自動圧縮搾り
 機械で圧力をかけて酒を搾り出す方法で
 搾り終わるまでの時間が短いので酸化が少なく
 しっかりと搾り取れるので無駄がなく経済的。
 普通酒や本醸造に最適だが圧力の調整で工夫した酒になります。

 自動圧搾濾過は、横に長いジャバラのようなものにもろみを投入し、
 機械で両側から圧力をかけて日本酒を搾り出す方法です。

 今の日本酒造りにおいて最も主流な搾り方であり、
 搾りはじめから搾り切るまでの時間が短く参加や温度による劣化を
 防ぐことが可能です。

 機械の圧力は強くしっかりと搾れる点もメリットのひとつ。
 しかし力が強過ぎることもあってデリケートな「大吟醸酒」などを
 搾るのには不向きとも言われています。


  

遠心分離搾り
容器に入れた醪を高速回転させて上澄みだけをとる方法。

酒袋に醪を詰めると日本酒に酒袋の匂いや雑味がつくことがあるが、
この方法だと匂いや雑味を防げる。
日本酒本来の味や香りを楽しめる、
また回転数を変えればにごり酒も作れる。


その⑧、火入れとは
醪から搾りだした酒を60度から65度ほどの比較的低温で酒を加熱する
操作を「火入れ」といいます。

加熱により微生物を殺菌すると共に酒の香味を変質させる
酵素の働きを止めて熟成度を調整し保存性を高める効果があります。

酒を腐らせる乳酸菌はアルコール分が十数パーセントも含まれた
日本酒にも好んで繁殖するので火落菌と呼ぶこの菌が増えると、
酒は白濁し、酸味を伴う特異な臭いが発生します。

 火入れは酒を貯蔵する前と、容器詰の前に行います。
酒のアルコール分の存在下で加熱することにより、
約60度という比較的低温でも微生物への殺菌効果が生じます。

「生酒」の場合は、この加熱殺菌を一切行いません。
火入れはパスツールがワインの保存性を高めるために発見した
低温殺菌法と同じ手法です。

室町時代末期の『多聞院日記』には「酒を煮させ樽に入れ了る、初度なり」と
火入れを行った記録が残されています。
日本ではパスツールが発見した約300年前に火入れの手法が発見され、
酒造りの現場で実用されていたことになります。

明治末期までは鉄釜で酒を直接煮ていましたが大正時代頃からは、
熱湯を入れた桶の中で蛇管に酒を通しながら加熱する方法が用いられるように
なりました。
現在では、この蛇管式のものやプレート式熱交換器などが用いられています。 



その⑨、秋田には何故美人が多い
秋田には「◯◯◯美人」という地酒が3蔵元があります。

秋田美人・・純米酒(秋田誉酒造)
ゆきの美人・吟醸酒(秋田醸造)
こまち美人・純米酒(那波商店)

美人の酒が多いから美人が多い、そんなことは全くありませんね。
だけど酒蔵には酵母が棲みつき人肌を滑らかにするといわれます。

その昔は、秋田の主な町には各々15~20もの酒蔵元が有ったという
だから「米の秋田は酒の国」と言われたほど酒造所が多かったのです。

酒造蔵元が多いから「酒飲み」が多いという事でしょうかね、
酒飲みが多いから「美人」が多い、そんなことありません。

秋田には、なぜ美人が多いのかという話は「秋田の地座」を
飲みながら「酒の肴」にいたしましょう。

◆秋田美人と云われるコンキョは

 

その⑪、醸造元の玄関(入り口)ある「杉玉」とは 

この杉玉、酒林(さかばやし)ともいいます。
酒蔵の軒先に、この緑の酒林を吊すことで新酒が出来たことを知らせる
役割を果たしているのです。
青々とした酒林の杉の葉が徐々に茶色がかってくるという色の変化が
新酒の熟成の具合を物語るとのことです。
元々は酒の神様に感謝を捧げるものであったとされる。
またスギの葉は酒の腐敗をなおすからスギの葉をつるすという説もあるようです。


その⑫、日本酒度とは?アルコールの度とは違います
日本酒度は±(プラスマイナス)で表されます。
水(±0)に対する酒の比重を日本酒度計で測定したもので、
清酒の比重を表すものです。

糖分が大きくなれば重くなって『-』が大きくなり、少なくなれば『+』が大きくなる。糖分の量で変化するので日本酒度は甘辛の基準になります。
お酒の甘い辛いという感覚はそれだけで決められるものではありません。
酸度などが加わり全体的なバランスで味わいが変化します。
お酒を買う時の甘辛度の大きな目安として参考にするのが良いでしょう。
下の図をお酒を選ぶ時に使ってみて下さいね!

日本酒度
●酸度とは?:
 数値が大だと 味が濃醇。数値が小だと 味が淡麗

 


その⑬、

その⑭、

その⑮、

 

その⑳、お酒の税金

日本酒の酒税は1升瓶(1.8L)で216円。
ビール350ml・・・・77円。
発泡酒・・・・・・・47円。
第3のビール・・・ ・28円。
チューハイ・・・・・22円。
ワイン1本(750ml) 60円。
日本酒を350mlに換算すると42円。
ワインを350mlに換算すると28円。

日本酒とワインも酒税の見直しが行われていて、
2023年ごろに酒税が統一され、750mlあたり75円。
これにより日本酒の酒税が減税されることなるようです。

国税局が酒税を近く改正するらしい、
2026年ごろにビール、発泡酒、第3のビールの酒税が統一され、
55円となるようです。


◆地酒のいろいろ話題挿入「豆知識」



◆飲んでみよう秋田の地酒















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【ボリュームタイプ】3箱(計30袋:1箱10袋×3箱)


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